「え、お前も大阪に行くことになったのか⁉」
翌朝。
朝稽古が終わって、自室でのんびりしていると、茶菓子を持った永倉さん達が私の部屋を訪れた。
ひょんな事で昨日の話をすると、永倉さんが一番に反応する。
「はい。って、お前もって事は永倉さんも行くんですか?」
「嗚呼、芹沢先生とは同門だしな。お前も共に行かないかって誘われたんだ」
そう話す永倉さんの隣で不服そうに原田さんが、饅頭を一口で頬張った。
「……俺も行きてぇよ。ここんとこ身体が鈍っちまってるし、一暴れしたいしな」
彼らしい物言いに、つい頬が緩む。
前髪を右に分けた原田さんは、本名 原田左之助さん。
永倉さん同様、面倒見が良くて優しい性格をしている。
「精々足手まといにならないよう、大人しくしておくんだな」
「……はい」
厳しい藤堂さんの言葉に、私は小さく呟いた。
藤堂さんの言葉はもっとも正当なもので、だからこそ胸に響く。
私は視線を落とすと、ゆっくりと目を閉じた。
握り締めた拳が微かに震える。
それを藤堂さんに見られていたなんて、この時の私は知りもしなかった。

