――ザッ



苦しいくらいにくる視線に、泣きたくなって下を向いた




「…おはよう!」



『あ、おはよう』




親友の真紀(マキ)は全てを悟っているようで、困ったように笑いかけてくれた



でも真紀にも誰にも別れを報告してないのに…



『――ッ』

ああ、そうゆうことか





隣の席でくっつけてあった啓祐の机は、そこにはなかった





隣には、真紀の席



啓祐は真紀が座ってた窓際の一番前の席に座っていた








「なあに?私と隣じゃ嫌なの?」

膨れ面の真紀にそんなことないよ、と答えながら席に座った






今まで気にならなかった教室のザワザワ感にモヤモヤした

…私達の事、言われてるのかなって




いつからこんな自意識過剰になったのだろう






「…てか、さ」


『ん?』










「佐々木、アイツはないね」



『…え』



コソコソ、と小さな声で話す真紀に首を傾げた



それは、私の事を振ったから?




意味が分からなくなって、何も言い返せない





「え、何?佐々木が浮気してそれに彩華が怒って振ったんじゃ…」




『え』




全身の血の気がサッと引いた







音も、聞こえない











「…え、違うの…?って!ねえ!彩華!」






気付けば、視界は真っ暗になっていた