教室に着き、お互いの席に荷物を置いて朝の用意をしてから私は斜め前の玲奈ちゃんの席に行って机に腕を置きしゃがみこむ。

「ね~?そう言えば今日は尚人君と一緒の登校じゃないの?」

見上げつつ、ふと疑問に思ったことを聞いた。

「あはは、舞。会ったときじゃなく今聞くところが舞らしいね」

そう笑って言った後、少し心配そうな顔をして

「尚人風邪を引いたらしくて熱が昨日から下がらないの。

 昨日から調子悪そうだったし、ちょっと心配なの。」

「え?昨日尚人君調子悪かったの?全然元気そうに見えたんだけど・・・・・・?」

尚人君はお隣のクラスだけど、いつも登校するときは玲奈ちゃんをクラスまで送ってくるし、帰りもちゃんと迎えに来るから姿は見てるんだよねぇ~。

でもそのときも全然そんなそぶりも見せず笑顔だったんだけどなぁ~??

「うん、尚人はあんまり人に弱ってるところを見られるのが好きじゃないみたいだけど、私はなんとなく分かるんだよね。私に調子悪いでしょ?って言われてしまったって顔してたしね」

すごいなぁ~玲奈ちゃん。彼女になるとそう言う所も気が付くんだろうか?

私にもそんな人が出来たら玲奈ちゃんみたいにしっかりするんだろうか?

彼氏なんて居たことなかったからわかんないや。

「10月入ったし、時々すごく寒い日もあるし、風邪引いちゃったのかな?

早く治ると良いね、尚人君・・・・・・」

そう告げたとき先生が

「お~い、チャイム鳴っただろ~席座れよ~」

と言いつつ入ってきた。


あれ?チャイム鳴ったっけ?気がつかなかった。

しまったと思いつつ玲奈ちゃんに「後でね」と言って自分の席に着いた。