好きな人。



後輩ちゃんが去った所で、あたしはふぅ…とひと息つく。

そうだ、あたし観星にプリント渡すためにここに居るんだ。


「観星!」

とりあえず木の幹から飛び出して、観星に声をかける。

「槇原」

お前がいたの知ってるよー、とでも言うように飛び出たあたしを笑いながらみる観星。

「…驚かないんだ」

驚くと思ってた。

「お前声でけぇんだよ。後輩と喋ってんのガンガン聞こえたから」

「ふ、ふーん…」

あたしも聞こえてましたよ?告白。

「で、はい。プリントだろ?」

「なぜそれを!?」

「だから聞こえてたっつってんじゃん」

「あ、そっか」

マヌケな声を出して、ほい、とプリントを渡す。

「サンキュ」

ニッ、て笑った観星を見て、あー、やっぱ好きだーとか思っちゃう。




『ごめん、俺好きな人居るから』


その言葉がループした。