「北村君の彼女?」




先輩らしき女の人が、あたしを引き留めた。





え……なんで知ってるの…?




ずっと隠してた。
ファンの子に、何か言われないように…




「正直に答えなさいよ?」






スラッとしてて黒髪ロングのその人に、キツく見られる





と言うより、睨まれてると言った方が正しい






「…えと…付き合ってます」






ここでヘタなこと言って、何かされるなら…本当のことを言おうと思った。









「ふふっ♪
いいわね! ちゃんと堂々としてて」







…はひ?






さっきまで睨まれてたのに、今はニコニコしている女の人






全くわからない、ついていかないあたし




「貴女を試してみたの♪
ここで違います、とか言う子なら、別れさせようと思ったんだけど♪」






「は、はい…」






さっきまでとの違いがすごすぎて、まだよくわかっていない。





「あたし、北村君ファンクラブの会長だから。
ま、貴女は大丈夫そうね」





ファ、ファンクラブの会長⁉︎






「昨日、貴女と同じクラスの子が、北村君とはもう話せません…って言ってたから、理由を聞いたの」





昨日…
北村君ともう話せない…





…あっ!!






昨日の放課後に起こったことだ!





「そしたら…
北村君の彼女の事悪く言ったら、ものすごく怒ったんです…って言ってて。


北村君に彼女がいたなんて知らなかったから、誰か聞いたの。


それで、北村君を好きにさせた人はどんなだろ?と思って、今に至る!」







…そ、そうだったんだ。






あたしがどんな人か見たかった、ってこと…




「怖めに話せば付き合ってない、って言うと思ったけど、ちゃんとしてるじゃない。
だから、もう貴女や北村君が一緒にいても、誰も何も言わないわ♪


あ、でも、ファンだから北村君と話したりはするけど♪」






女の人はそう言って、みんなに校舎に入るように促した。







か、会長の権力すごい…


あっという間に女の子たちは校舎に入っていく。






いつの間にか女の子たちは居なくなって…






あたしだけがノリ遅れてしまった