「……ふぇっ」



あたしは、作業でにぎわっている人たちの横を走っている。




頬を伝う涙には、走ってるから誰も気づかない。




…昨日、北村くんが好きだって自覚したから…頑張ろうと思ったのに…




トロくてバカなあたしは、北村くんには迷惑だった。




さっき北村くんに引き留められた時、ドキドキして…



抱きしめられたら、もっとドキドキしちゃって…




何も言えないでいたんだ。




それは、単純に抱きしめられてたのが嬉しかったのもあって…。




…なんで学園の人気者を好きになってしまったんだろう…。