あたしが叫んでしまうのも、無理はないと思う。
だって…
「北村くん、お母様のお弁当はっ!?」
今日の朝、女の子が北村くんに『お弁当を作ってきた』、と言ったのを、『母が作ったお弁当があるから』って言って断っていた。
それなのに、なんでお弁当食べてないの!?
「ブッ! お母様って…。
…あー…朝のか」
北村くんは、一瞬意味わかんないみたいな顔をしたけど、すぐに理解したみたいで…
「考えればわかんだろ?
弁当受け取らないための嘘だって」
「…え?
そう、なの…?」
じゃあ、お母様が作ったお弁当は無いんだ…。
「ホントお前バカだよなー?
なに、天然?」
「な! あたしは天然じゃないしっ」
舞ちゃんにも言われたっけ…。
「…やっぱバカなんだな。
…つーかさ」
「…?」
「そんなに俺のこと心配してんだったら、弁当作ってこいよ」
北村くんはニヤリと笑う。
……えぇーーー!!?
「無理ムリ!
あたし、料理出来ないから…」
確かに心配はしてたけど…
あたしがお弁当作るなんて、できません!!
「はぁ?
俺が決めたんだから、素直に作れ」
「やっ…でも、本当に料理は…」
そこまで言いかけて言葉が詰まる。
北村くんの顔が…真剣だったから。
「今の…
絶対命令なんだけど」
さっきまでの真剣さはなく、またからかう時の顔になって…
北村くんは、そう言い放った。

