「みぃーおぉーっ!!」
「うぎゃあっ!」

「ななのばかやろー!」
本当に突然抱きついてきたから、男みたいな声出しちゃった。
まあいいんだけど…

「あ、空んとこ行ってくるわ」
「勝手にいけっ」

"そーらっ"なんて言って、
空くんのところへ駆けていく那菜は可愛い。
女の子からみても可愛いって、男の子からみたら天使なんだろうなぁ…


「いでっ!!」
「うおっ!」

何かにぶつかったと思って顔を上げると同じクラスの人がいた。
名前…なんだっけ。

「ちょ…ごめん、まじで。」
「いや、え、私は全然!なにも…っ!」


「…ちっさくて見えなかった」

どかーん。爆弾投下。

「すいませんね」
明らかにムスッとした言い方で言ってしまう。
だって、しょうがないんだよ。どう頑張っても伸びないの。

「何cmだよ、お前」
「156ぐらいかな」
「嘘つくな」
「…150です」
「うわ、ちっせ」
「しょーがねーのー!!伸びないのー!」
「あはっ、はははっ」

いきなり笑い出すこの人。
ていうか、名乗りもしないでお前、なんて失礼な。

「はるとー、おっせぇよー」
「あ、ごめんごめん。じゃーな」

軽く手を振りながら男子の集団に戻って行く、はると…くん。
…変な人。