あたしが迷っていると総長様が口を挟んだ。
「おい、陽菜。お前さっき見てただろ?」
…ん?主語がないんだけど?
えーっと…
「…なにを?」
「龍王の奴らとの喧嘩。」
「…龍王って誰?」
「…お前龍王もしらねーのか。」
「うん。」
「俺等のことも知らないし、龍王も知らないなんて陽菜ちゃん今どき珍しい子だね。」
隼人はそう言ったがそんなことはないと思う。
「じゃあ"藍豹"って知ってる?」
突然問われたその言葉にあたしはビクッとなった。
「陽菜、藍豹は知ってるのか?」
晃に聞かれあたしは俯いていた顔をあげると天空幹部の皆様がこちらを見ていた。
「…知ってる。
あたしが前にいたところ、
藍豹のところ。」
それだけ言うとみんなが食いついた。
「陽菜!"桜豹"って知ってるか!?会ったことあるか!?」

