「びっくりした。トイレ行こうとしたら、咳こんでるの聞こえてきて・・・。」 《ごめんね。ありがとう。》 そう言おうとした。 なのに、それは口から出てこなくて。 私は魚のように口をパクパクとしたままだった。 嘘・・・。 「ルチア・・・?・・・まさか・・・」 私は、アロンの手を取って、 アロンの手のひらに、自分の指で 《声がでない》 と書いた。 アロンは険しい顔をして、 「医者、もう1回呼ぶ。」 そう言って行こうとした。