「おにーさん、なーにしてるの?」


いつもより何トーンか低い声を出して話しかけるリトロ、いや、LILO。
仕事中は何があってもバレないようにするため、
仕事の名前で呼ぶことになっている。



「あ゛?うっせーな。邪魔してんじゃねーよ。」


そして、こちらを振り向いたチンピラ。
と、同時に顔をこわばらせた。


「・・・っ!!!てめぇら・・・。」


全員フードをかぶっているのだけど、
そのフードにはFlyと刺繍が入っているため、
相手もすぐに危機を察知したのだろう。



でも、こわばった顔も束の間。


「・・・でもさぁ、俺等、こいつら潰したら有名じゃね?」


「だな!1人一匹倒せばいけんだから、意外と楽勝じゃね!?」



ギャハハハハハと下品に笑い出す、チンピラども。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい・・・・・・・・・



『・・・・・・・・・・・・・・・・うるせぇ。』



自分でもびっくりするくらい低い声が出た。