そして、人間の世界は――
血の消滅と共に、衰退の一途を辿る。
数百年先、この世に〈人間〉と呼ばれていた種族が存在していたことは、記録の中だけに存在していた。彼等の繁栄は遺跡となって残り、大部分が風雨に晒され倒壊してしまっている。
唯一、人間が生きていたという証拠は、ダレスとフィーナの子供に受け継がれるのみ。しかしいずれ混血が続けば人間の血は薄まり、人間の証自体が消滅してしまう。血を求め血に溺れた人間の末路は、実に儚い夢物語。だが、それを語れる者は時と共に姿を消していく。
記憶を辿る者が、問う。
人間とは、一体?
その答えに付いて、明確に回答できる者はいない。それを知る者は彼等が崇めていた女神のみで、その他の種族は口をつむぐ。ただ、彼等の行いを戒めとし一族の永遠の繁栄に繋げる。
生きた教科書として――


