臆病者のシーソーゲーム(仮)









「おー、椿居たんだ?」



晴れた日の放課後。


教室から見た夕焼けが綺麗だったから屋上に来た私。


フェンスから下を覗いて、
部活動の人たちや帰宅していく生徒を眺めていれば、


もう聞き飽きた鉄のドアを開ける音。

何回聞いても聞き飽きない悠の声。




「悠、珍しいね…放課後にここで会うって」


昼休みに比べ、放課後はここに来ることが極力少ない私達。


何だか昼休み以外って言うのが照れくさい気がして言えば、



「俺教室最後に出たんだけど、

下駄箱に椿の靴がまだ残ってたの発見してさ。


空見たら夕焼けが綺麗だからもしかして…って思って」




『ビンゴだな』なんて嬉しそうに笑う悠に、

私は嬉しさが込み上げて、

照れくささが倍増する。



「家に帰っても、『受験生なんだから勉強しなさい』って親に言われるだけだしね。

本当ならすぐ帰って、マンガ読んだりゲームしたりしたいけどさ…
高校入るまでは『受験・受験』って追いつめられるし、
こうやって綺麗な物を時間に囚われず見る事も大事だと思うんだよね~」



それは『勉強から逃げている』と言われてしまうだろうか?

例えカリカリと勉強ばかりいる人が沢山居ても、
私にはそれが出来ない。

息抜きをしながら、自分のペースで居たいと思うんだ。