「あと高山、さっき関口には言ったんだけど、

俺の友達で1人彼女居ない奴いて、そいつも後から来るから」



「ほう?同中?」


「そう。うるさい奴だけどさ―」
「おお!心の友堀川君発見!!予定より早くこれたぜ!!」

堀川の声を遮るように大きな声で私たちのところへやってきた男子。


その声を聴いた瞬間、私の耳がピクピクっと反応して、

もしやと思いながらもバッと音をさせるような速さで振り返った。



そこに居た人は……






「げっ!!!!」


「おおお!?つばちょんじゃないか!!」


私に気づいたその男子…同中出身の小林は、

目をキラキラ輝かせて私に抱き着いてきた。

同い年でも男と女であって、

小林の身体にスッポリ包まれた私は、思いっきり足を踏んだ。



「つばちょん痛い!でもこの快感久々!」

小林が手を離した隙に美希の後ろに逃げる。



相変わらずウザったく絡んでくる小林は、

中1・2年の時に同じクラスだった同級生だ。

3年ではクラスが離れたものの、休み時間だったり、すれ違う度に絡んできていた。



身長だって男子の標準だし、
顔だってそれなりに良い方だし、
勉強も運動もそれなりに出来る奴だけど、


性格はどうしたものか、かなりウザったい。


本来なら女子にモテて良いはずなのに、このウザさが影響してしまい、

『小林君、顔は良い方だけどあのウザさがね~』と沢山の女子から言われていた。