「そーそー。今年も行くだろ?
去年はお互い同中の奴らと行ったけど、
今年は関口も誘って一緒に行かねえ?」
去年は中学生臭さが消えなくて、
中学の時に仲良かった子たちと行った。
「…………さては、仲良い同中の奴らに彼女が出来て、
捨てられたな堀川」
的確に言えば、若干涙目になる堀川……
「アイツら、去年は彼女の『か』の字も匂わせなかった癖に、今年に入って突然次々と『彼女できたから』って!!」
うん、分かるよ堀川。
私の同中の子も何人も『彼氏できた』『椿はまだなの~?』って言って来たからね。
でもね。
この公共の場で男泣きしようとするのは止めようか。
私が苛めたみたいに思われるからね。
「わかった。堀川、美希を誘って一緒に行こう。
リア充潰すような気持ちで行こう」
堀川と美希とお祭りで騒いで、花火を楽しんで、
そうすれば見たくないものも嫌に感じなくなるかもしれない。
楽しんで楽しんで楽しんで、
周りが見えなくなるくらい楽しめば、
私の身体の隅のアレは今年こそ消えるかもしれない。