憎悪と、懺悔と、恋慕。

 

 木崎センパイと一緒にリビングへ行くと、既に木崎センパイのお父さんとお母さんがダイニングの椅子に腰を掛けていた。

 木崎センパイのお父さんとお母さんは隣同士に座っていて、木崎センパイが木崎センパイのお母さんの前に、その隣にワタシが座った。

 ワタシの目の前に、あの日クローゼットから覗いた顔がある。


 ワタシとお母さんの顔は、似てない事もないがそっくりというわけでもない。

 ただ、声が結構似ている。

 母寄りに声を似せて、『早川です』と挨拶したら、木崎センパイのお父さんは気付くだろうか。

 不倫相手の娘が自分の息子と親しいと分かれば、母との関係を解消してはくれないだろうか。