電車に乗って、家に着く頃には冷静さが戻って来た。

 罪悪感と後悔で頭がいっぱいになる。

 後味が悪すぎる。

 玄関を開け、リビングを覗くと、お母さんは既に帰って来ていた。

 お母さんを見るだけで、嫌悪感が押し寄せる。

 リビングには行かずに、階段を駆け上がり自分の部屋へ直行。

 フローリングに鞄を投げつけ、ベッドに飛び込み、枕に顔を埋める。


 ・・・謝らなきゃ。

 身体を翻し、ポケットから携帯を出す。

 〔ヒドイ事を言ってスイマセンでした〕

 送ろうと打ち込んだLINEメッセージを、消す。


 --------このまま木崎センパイと疎遠になれば、辛い思いをする事もないのかもしれない。

 この期に及んで、意地汚い考えが過ぎる。

 結局、LINEメッセージは送らなかった。

 ワタシの最低さは、底なしだ。