憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 
 酷い事を言った。 謝らなきゃ。 分かっているのに、

 「早川さ・・・「1人で帰れるんで、もうここでいいです」

 素直になりたい気持ちは怒りに飲み込まれ、何かを喋り出した木崎センパイを遮ると、そのまま木崎センパイを追い抜いて駅に向かった。

 「ちょっと待って!!」

 木崎センパイがワタシの手首を掴んだ。

 「触んないで!!」

 勢いよくその手を振り払い、走ってその場を去る。

 傷つけられた分、やり返さないと気が済まなかった。

 でもワタシのした事は、木崎センパイに元々あった深い傷を抉って塩を擦り付ける様な事だ。

 悪魔の様な自分自身に、吐き気がする程嫌気が刺す。