憎悪と、懺悔と、恋慕。



 「・・・もう嫌だ。 もう何もしたくない。 お母さんの不倫はワタシのせいじゃない。 木崎センパイのお母さんが歩けないのも、ワタシが悪いわけじゃない!! 木崎センパイの言う事なんか、聞きたくない!!」

 怒りは冷静を欠く。

 言ってはいけない事、他人を深く傷つける事を平気で言う。

 ワタシは何て嫌なヤツなんだろう。

 今、木崎センパイを打ち負かそうと、わざとダメージが大きいだろう言葉を選んだ。

 嫌いだ。

 木崎センパイが嫌いだ。 お母さんが嫌いだ。

 今の自分が、1番嫌いだ。