憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 「折角ですが、多分ウチもワタシの分を用意してくれていると思うので・・・」

 木崎センパイのお母さんの誘いを断ると、『よしよし』と木崎センパイが頷いた。

 そんなに分かり易く嫌われると、ダイレクトに傷つく。

 「そっかー。 じゃあ、次遊びに来る時は晩ゴハンご馳走させてね」

 残念そうな顔をする木崎センパイのお母さんに、

 「是非」

 大嘘を吐いた。

 もう、ここに来る事はないだろう。

 木崎センパイがワタシをここに呼ぶ事は、2度とない。