そして、オカンの正面に移動する早川さんのお父さん。
「初めまして。 早川莉子の父親です」
早川さんのお父さんはソファーに座らず、車椅子のオカンの目線に合う様に、膝を立てる様に正座をした。
「・・・・・・」
何も言わずに顔を背けるオカン。
「家内が・・・と言いましても、ウチは離婚しましたのでもう家内ではないのですが・・・莉子の母親が大変申し訳ない事をしました。 アナタを深く傷つけたでしょう。 本当に申し訳ありませんでした」
早川さんのお父さんが頭を下げようとも、オカンは見向きもしない。
「・・・アナタは、離婚をする気はないんですよね?? 離婚を切り出したという話を、木崎くんから聞きませんでしたので。 ・・・好きな人に、信じていた人に裏切られるのは、本当に辛い事ですよね。 好きだからこそ、信じていたからこそ許せないですよね。 許せない事も辛いですよね」
優しく語りかける早川さんのお父さんの言葉に、オカンの肩が『ピクッ』と少しだけ動いた。



