憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 「そんな事ないだろう。 莉子にだって良い人が・・・「お父さんは、自分の子だから可愛く見えるだけ!! よく見て!! 普通にブスだよ、姉ちゃんは!! 姉ちゃんは性格以外全部中の下!!」

 早川さんのお父さんに、食い気味で悪口を言う弟さん。

 でも、自分の姉を何度も『性格が良い』という辺り、コイツは結構シスコンなんだと思う。

 素直じゃないとこが、逆にかわいいな。 弟くん。

 「え?! ワタシ、自分の事『ちょうど真ん中辺りの女』だと思ってたのに・・・中の下だったの!??」

 論点を逸らさぬよう、敢てオレが自分の『イケメン否定』をしないでおいたと言うのに、それに気付かず普通に話をズラす、早川さん。 そんな事されたらオレ、さっき自分の事を『イケメン』って認めてる事になっちゃうじゃん!!

 「そうだよ!! もしくは下の上だよ!! だから、ブスに免じて許してあげてよ、お父さん!!」

 そんな早川さんにブスをダメ押す弟くん。

 てか、『ブスに免じて』って何!??

 「『ブスブス』言わないでよ!! 心の中で留めておいてよね、莉玖!! でも、お願いします、お父さん!! ブスの一生のお願い!! 木崎センパイ、凄く凄く良い人なんだよ!! お父さんも絶対好きになる!!」

 早川さんが、オレの隣で必死に頭を下げていた。 てゆーか、『ブス』をアッサリ受け入れちゃってるよ、このコ。

 そんなところも、たまらなく可愛い。