憎悪と、懺悔と、恋慕。

 

 案の定、ワタシの家の最寄駅で木崎センパイも降りた。 しかも、ワタシより先に。

 やっぱり木崎センパイは、ワタシの家を知っている。

 駅から徒歩7分。

 ワタシの前を歩く木崎センパイに導かれる様に、自宅に着いた。

 「・・・じゃあ」

 ペコっと頭を下げ、家の中に入ろうとした時、

 「コレ、読み取って」

 木崎センパイがLINEのQRコードを表示したスマホを手渡してきた。

 ・・・どうせ逃げられない。

 おとなしく読み取って、スマホを木崎センパイに返した。

 「ちょくちょく連絡する」

 そう言って、木崎センパイがスマホをポケットにしまった。


 これが恋の始まりだったなら、どんだけウキウキしただろう。