憎悪と、懺悔と、恋慕。

 

 ゆっくりでも、歩けば駅に着いてしまう。

 時間は限られている。

 正直、お母さんの返事を聞くのは怖いし、聞かない方が良いのかもしれない。

 でも、今聞かなかったら、今後聞く機会なんかないかもしれない。

 ワタシにはお母さんが産んでくれた、優しくて可愛い弟がいる。

 こんな時、1人っ子じゃなくて良かったと思う。

 莉玖が一緒にいてくれるから、お母さんの口からどんなに辛い事実が発せられたとしても、ちゃんと立っていられる気がする。

 弟よ、情けない姉ちゃんでスマン。

 チラっとお母さんの方に目をやると、お母さんが喋り出そうと、口を開くのが見えた。

 ワタシは今から、何を言われるのだろう。