憎悪と、懺悔と、恋慕。



 ワタシと莉玖でお母さんを挟み、3人で歩く。

 何を話せば良いのか分からず、お母さんの顔を見る事も出来ず、ただ下を向きながら歩を進める。

 「お母さん、浮気しちゃった事、後悔してない??」

 莉玖が、ワタシも聞きたかった質問をお母さんに投げかけた。

 莉玖は本当に気が利くなと思う。

 お姉ちゃんなのに、会話を振ろうともしないワタシの様子に、きっと莉玖は気付いたのだろう。

 だって、やっぱり怖い。

 お母さんのあの言葉を、もう聞きたくないんだ。


 「・・・・・・してるし、してない」

 「・・・どういう事??」

 お母さんの言っている意味が分からない様子の莉玖。

 そういうワタシも、さっぱり分からない。