憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 『早く食え』と言われたので、かっ込む様に一気にお弁当を食べ、鞄にお弁当箱を片す。

 そして、沈黙。

 ・・・もうちょいゆっくり食べれば良かったよ。

 間が持たない。

 どうしよう。 何か喋った方が良いのだろうか。

 「・・・あのー『ピー』

 たわいもない事を話し出そうとした時、部屋の外からドアロックを解除する音が聞こえた。

 『黙っとけ』と小声で言いながら、木崎センパイがワタシの口を押さえた。

 2人で格子の隙間を覗く。

 部屋に入って来たのは、いかにも高そうなスーツを着たおじさん。 多分社長。 木崎センパイのお父さん。



 と、ウチのお母さんだった。