「・・・『2人を』ねぇ。 木崎さんの息子さん・・・『湊くん』だっけ?? 凄くん、イケメンよねぇ。 好きなんでしょ?? ワタシが変に動けば、湊くんに嫌われちゃうかもしれないものねぇ。 『2人を傷つけたくない』なんて綺麗事言って、本当は湊くんに嫌われたくないだけでしょ。 腹の中見え見えよ?? 本当に意地汚いコね、莉子は。 でも、何だかんだワタシたちは親子よね。 男の趣味が一緒って事だものね。 親子揃って同じ血筋の人間を好きになるなんてね」
お母さんが嘲笑った。
「・・・・・・」
言い返せなかった。 図星だったから。
確かに、木崎センパイのお母さんより先に、木崎センパイの事が頭を過ぎった。
木崎センパイに、好きになってはもらえない。
だったらせめて、嫌われたくない。
だってワタシは、お母さんの言う通り、木崎センパイが好きだから。



