「卑怯よ!! ワタシの浮気の話をしたら、莉玖がワタシの方に来たいなんて言うはずがないじゃない!!」
怒りを口にしたお母さんに、お父さんもワタシも呆気に取られる。
・・・卑怯って、どの口が言ってるんだ。
きっと、ワタシの頭の悪さは母譲りだ。
「当然だろうが。 隠し事や嘘は莉玖の不利益になる。 莉玖にはオレがちゃんと話す。 オレは今日もシゴトだから、それまで少しでも寝ておきたい。 頼むから静かにしていてくれ」
そう言って、お父さんは自分の寝室に戻って行った。
時刻は早朝5:00。
もうすぐ、夜が明ける。



