憎悪と、懺悔と、恋慕。

 


 木崎センパイに引っ張られながら学校を出て、電車に乗り、少し歩き・・・・・・着いた所は、母が働く木崎マートだった。

 従業員出入り口を目がけて歩く木崎センパイ。

 そんな従業員出入り口は、セキュリティカードがないと入れない仕組になっていたが、そこはさすが社長の息子。 しっかり持っていた。

 システムにカードを翳し、ドアロックを解除すると、木崎センパイは慣れた様にずんずん中へ入って行った。

 手首をガッチリ掴まれている為、ワタシも行くしかない。

 「・・・あのー」

 いい加減、ココで何をするのか教えて欲しい。 木崎センパイに質問を投げかけようとすると、

 「逃がさないから。 ちゃんと見てもらうから」

 木崎センパイが、更に力を入れてワタシの手首を握った。


 『ちゃんと見てもらうから』


 木崎センパイが見せたいものって、おそらく・・・。

 てゆーか、手首痛い。