憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 
 テレビを見ながら、お母さんを待ち構える。

 お母さんは、お父さんにおそらくまた『スーパーが人手不足で残業』とかいう嘘を吐いたんだろうなぁ。

 木崎マートは24時間営業。 今日はクリスマス。

 『忙しい』が充分言い訳になる。

 お母さんは、何時に帰ってくるのだろう。

 いくら何でも、朝帰りはしないよね??


 
 ---------しかし、待てども待てども、お母さんは帰って来ない。

 今日はバイトも行ったし、木崎センパイの家のクリスマスパーティーにも行った。

 若いと言えども、やっぱり疲れたわけで。

 でも、寝るわけにもいかなくて。

 勝手に閉じようとする瞼を、眉とオデコの力で無理矢理引き上げる。

 それでも、意識は遠のいて行ってしまう。

 『コクリコクリ』と頭で舟を漕ぐ度に、何とか夢の世界から戻る。

 そんな事を何度か繰り返しながら、眠気を戦っていると、玄関の鍵が開く音が聞こえた。