憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 「・・・あのー。 ワタシも一応用意したんですが・・・」

 そっと木崎センパイのお母さんに、包装紙までもが安っぽい箱のプレゼントを差し出す。

 「わぁ。 ありがとう!! 開けていい??」

 嬉しそうにプレゼントを受け取る、木崎センパイのお母さん。

 そんなに喜ばないで。 あんまり期待しないで。

 だってワタシが用意したプレゼントは・・・。

 「わぁー。 いい匂いー」

 木崎センパイのお母さんが、箱からアロマキャンドルを取り出し、鼻を近づけて匂いを嗅いだ。

 お金もないし、車椅子でそんなに頻繁にお出かけできないであろう木崎センパイのお母さんが、自宅で楽しめるモノ・・・とワタシなりに考えたプレゼントではあったんだけど・・・頂いたプレゼントと全く釣り合っていない。

 完全に失敗した。
 
 「ありがとう、莉子ちゃん」

 そう言って木崎センパイのお母さんは微笑んでくれたけど、
 
 「・・・なんか、スイマセン。 高価な物を頂いておいて・・・」

 もう、頭下げるしかない。 こんな事ならもっとバイト入れとけば良かった。

 「何言ってるの!! 嬉しいに決まってるでしょ!? 今日、寝るときに早速使わせてもらうね」

 木崎センパイのお母さんが、優しくワタシの頭を撫でてくれた。

 もうないかもしれないけれど、もし次の機会があったなら、今度こそもっと良いプレゼントをしよう。