憎悪と、懺悔と、恋慕。


 
 「ひとの頭上で何をコソコソ話しているのかな??」

 木崎センパイのお母さんが、ニヤつきながらワタシたちを見上げた。

 「別に??」

 と適当にはぐらかすと、木崎センパイのお母さんの車椅子を押してリビングに行こうとする木崎センパイ。

 そんな木崎センパイの腕を引っ張って止める。

 『あ??』と振り向いた木崎センパイに『ニィ』と笑った後、

 「さっき木崎センパイに『ブス』って言われました」

 木崎センパイのお母さんに、さっきの悪口をチクってやった。

 「はぁ??! 何なのこのコ。 莉子ちゃん、こんなコぶん殴っていいから。 ワタシが許す。 ・・・てゆーか、湊。 もしかして、アレ?? 好きなコに意地悪言っちゃう、幼稚園児がよくやるアレかしら?? 高校生なのに?? 高校も、3年なのに??」

 木崎センパイのお母さんが、目を三日月型にして『プププププー』と吹き出した。

 ・・・そうだったらいいんですけどね。

 「全ッ然オレの趣味じゃない」

 木崎センパイ、完全否定。

 分かっていたけど、カナリ落ち込む。

 なんで、木崎センパイなんか好きになっちゃったんだろう。