憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 本当は木崎センパイに迎えに来てもらえるのは、ヒドイ事を言われ様とも嬉しい。

 でも、木崎センパイに会う前に、駅のトイレで働きまくってヨレヨレの髪と顔を直して、ちょっとでも良いコンディションで木崎センパイに会いたい。

 電車の発車時間1分前までトイレに篭り、髪とメイクを直すと小走りでホームに行き、電車に乗り込んだ。

 10分ほど電車に揺られ、木崎センパイの家がある駅で降りると、改札で壁に寄りかかっている木崎センパイの姿が見えた。

 「木崎センパイ!!」

 木崎センパイに手を振りながら駆け寄ると、

 「オレの電話、勝手に切ってんじゃねーよ。 ケーキ貸せ!! オマエ、アホだから落としかねない」

 ワタシに一方的に電話を切られた事に腹を立てている様子の木崎センパイが、速攻でワタシの手からケーキを奪った。

 てゆーか、ケーキ屋でバイトしてるワタシが、ケーキを落とすわけがない。 

 かと思えば、ワタシが持っていた鞄と紙袋も毟り取る木崎センパイ。

 「それ、ケーキじゃないんですけど」

 鞄に手を伸ばすと、

 「バイトお疲れ。 ばーか」

 木崎センパイが、ワタシに鞄を持たせぬ様に、逆の手に持ち替えた。

 木崎センパイのばーか。

 きゅんきゅんするだろが。