電車を降りて、ワタシの家まで2人で歩く。
「早川さん、明日ってバイト??」
以前なら、ワタシの歩く速度になんか合わせてくれなかったセンパイが、足の短いワタシの為にゆっくり歩いてくれている。
「ハイ」
今日、沙希に代わってもらったから明日はバイトだ。
「そっか、良かった。 じゃあ、次ウチに来るときまでにテストの要点まとめたテキスト作っておくわ。 今日中に作るのはちょっと無理」
『範囲は確認しといたから大丈夫。 1年の教科書もまだあるし』と木崎センパイが『ニィ』と笑った。
イヤイヤイヤイヤ。 アナタ受験生でしょうが。
「木崎センパイ、ワタシの事は二の次でいいですよ。 テストもそうですけど、もうすぐ入試ですよね?? 自分の勉強して下さいよ」
「大丈夫。 オレ、頭良いから」
全く謙遜しない木崎センパイが、逆に清々しい。
「自分で言っちゃうんだ」
そんな木崎センパイが面白くて突っ込むと、
「オレ、全教科学年3番以内だから。 オレが自分の事謙遜しちゃったら、ウチの高校の人間の殆どを『バカ』扱いする事になっちゃうじゃん。 逆に失礼。 早川さんはさ、ホラ。 オレと違って、頭の回転が・・・緩め??」
逆に痛いところを突き返された。



