憎悪と、懺悔と、恋慕。

 
 「誰も『バイト辞めろ』なんて言ってないじゃん。 そもそもオレにそんな権限ないし。 ・・・そっかぁ。 ケーキ屋かぁ。 クリスマスは忙しいんだろうなぁ。 ・・・やっぱ、ウチに来るのは難しいかな?? ・・・もし、来れる様なら迎えに行くけど」

 思いもよらない木崎センパイの言葉に足が止まる。

 ・・・え?? 今なんて??

 木崎センパイが、ワタシの事を誘ってくれているの??

「・・・嫌じゃないんですか?? クリスマスにまでワタシと会うのは」

 「・・・早川さんが嫌なんでしょ??」

 「嫌じゃないですよ。 ワタシは」

 「嘘吐け。 昨日『触らないで』ってオレの事バイキン扱いしたくせに。 『放して』ならまだしも『触らないで』。 傷ついたし。 今までオレ、女の子にそんな事言われた事ないし」

 木崎センパイが突然コドモみたいな事を言い出し、むくれた。

 『バイキン』て・・・。

 しかも傷ついたところが、そこかよ。

 『木崎センパイのお母さんが歩けないのも、ワタシが悪いわけじゃない』の件じゃないんだ。