憎悪と、懺悔と、恋慕。

 

 「早川さん、バイトって何してるの??」

 木崎センパイが、淀んだ空気を断ち切ろうと話題を変えた。

 木崎センパイは、ワタシのバイト先までは調べていない様だ。

 よくよく考えてみれば、ワタシのバイト先を知っているくらいなら、ワタシの顔だって知っていただろう。

 そういうところに気付かないあたり、ワタシはやっぱりバカなんだ。

 「・・・・・・D駅前のケーキ屋さんです」

 言い辛い為、超小声で答える。 

 「あぁ、あそこのケーキ、オカンがすげぇ好きなんだよね」

 木崎センパイが、既に知り得ている情報を口にした。

 「・・・なんでよりによってってカンジですよね。 あそこ、時給がいいんですよ。 ワタシ、お小遣い少ないし、ケータイ代自分持ちなんで、バイトしないとケータイ止まっちゃうんですよ。 あ、でも他にいいところ見つかったら変えますから!! スイマセン」

 『だから嫌そうな顔しないでくれ、こっちも死活問題』とばかりに、木崎センパイには全く関係もないし、興味もないだろう懐事情を暴露した。