憎悪と、懺悔と、恋慕。

 


 シチューを食べ終え、挨拶をして帰ろうした時、

 「莉子ちゃん、来月のクリスマスって何か用事ある?? 良かったら莉子ちゃんもウチでパーティーしない?? 家族だけじゃ寂しくて」

 玄関で靴を履こうとしているワタシに、木崎センパイのお母さんが話しかけて来た。

 「・・・24日も25日もバイトです」

 彼氏もいないし、しっかりバイトの予定を入れていた。

 弟も仲間内でパーティーするらしいし、クリスマスらしい事をするとしたら、25日の夜にケーキを食べて親にプレゼントらしい何かを貰うくらいだろう。

 「えー。 莉子ちゃん、バイトしてるんだー。 偉いねー。 バイト終わってからでも、ちょっとだけでも顔出すのは無理??」

 木崎センパイのお母さんがそう言ってくれるのは嬉しいけど、何て答えるべきだろう。

 『じゃあ、お邪魔します』なんて言ったら、木崎センパイのお父さんは嫌がって、その日家を空けたりしないだろうか。 ウチのお母さんと会ったりしないだろうか。

 でも、逆もあるカモしれない。 ワタシが余計な事を言わない様にと、監視の意味で家にいるかもしれない。

 ・・・どっちだろう。

 てゆーか、木崎センパイが嫌かもしれない。

 クリスマスにまでワタシと一緒になんか居たくないかもしれない。