「こんばんわ。」


インターホンが部屋に響くと同時に私は座っていたソファーから立ちあがり、玄関へ向かう。


そしてドアを開くと同時に大好きな声がそう言った。


そして、ふわっと抱き締まられた。


きつく、きつく、苦しいくらいにきつく。


「会いたかった。」


「…うん、私も…。」


私がそう言うと彼は少しだけ腕を緩め私を視線を合わせると、そのまま唇を奪った。


噛みつくように激しく、彼は私を離さない。


苦しい…でも、こうしている時間が限りなく愛おしい。


そのまま玄関に崩れるように押し倒された。


「しゃ、社長…。」


私がそう言うを社長は動きをぴたっと止めてまた私を見つめる。


「いつも言ってるだろ。二人ん時は、社長じゃなくて、名前で呼べって。」


「でも、なんか慣れてなくて…。」


彼は私に小さなキスを落としもう一度私を見つめた。


「…呼んで?」


……。

胸の奥がきゅうっと締め付けられる。


「……、はる、と…。」


彼は小さくほほ笑むとまた激しいキスを落としてくる。


ただ、この人が愛おしくて仕方がなかった。