結婚に愛はあるのか?

「オレが運んだんだから、愛ちゃんは歩いてない」

「・・・え」

・・・ウソ。まさかの発言に固まる私。

それに引き換え、優也はいたって普通の顔をしていた。


・・・ピンポーン。

そんな気まずい空気を破ったのは、

玄関のインターホンだった。


「あ、オレが出るから食べてな」

そう言って笑った優也は、玄関に向かっていった。

ふうっと溜息をついた。

…沙織は運ばないのに、私はちゃんと運んでくれたんだ。

まぁ、私はたぶんだけど、ああやって、腕や足は飛ばさないだろう。

そう思うと、可笑しくなってクスクスと笑った。


…ところで、優也は玄関に行ったまま、帰ってこない。

私はお箸をおいて、玄関に向かった。


「優也さん、どうかしました?」

優也の後姿に問いかけ、あと一歩の所で足を止めた。

「いや、沙織にお客さんなんだけど、

これを渡しておいてほしいっていうんだけどさ」

…見せられたのは、会社の封筒。

大事な物のようなので、沙織が直接貰った方がよさそうだ。