結婚に愛はあるのか?

「今日は、顔色はいいようですね」

後ろから声をかけられた。

「えぇ、おかげさまで・・・

本当にあの時は助かりました」

ドアの前に着き、振り返った私は、深々と頭を下げた。



「いえいえ、貴女のような方を放っておくことは、

私にはできません・・・ところで、

顔色はいいのに、何だか浮かない顔をしている気がするのは、

私の勘違いでしょうか?」

真っ直ぐに私を見下ろし、そう呟いた遠藤さん。

…この人は、人の想いを、くみ取れる人なのかと、感心してしまう。



「おぉ、遠藤さん、お待ちしてましたよ」

何か言いかけたところで、ドアが開いてしまい、

川崎課長が出てきた。


「どうも、川崎課長。お呼びとの事でしたので、

急いでまいりました」

そう言って微笑んだ遠藤さん。


「鈴木さん、コーヒーを二つ頼むよ」

「かしこまりました」

川崎課長の言いつけに、笑顔で頷いた私は、

給湯室へと足を進めた。