結婚に愛はあるのか?

…次の日から、会社に出社した。

まだすぐれない体調ではあったが、何かしていないと、

気が滅入ってしまいそうで。


…週末には、

沙織が引越しの手伝いをしに来てくれることになっている。

それまで、仕事だけを頑張ろう。


・・・久しぶりの会社。

事務を一つ一つ丁寧にこなしていく。

高卒の私は、資格はたくさん持っていたものの、

やはり、短大卒、大卒の先輩たちには、足元にも及ばなかったから。


「すみません、川崎課長はおられますか?」

私は出入り口に一番近いデスクに座っている。

そんな私に、こうやって来訪客が声をかけてくるのは、日常茶飯事だった。


「あ、川崎課長なら・・・」

立ち上がり、課長の居場所を教えようと振り返った私は、

その場に立ち尽くす。


「…君、この前の」

相手も、驚いている様子で、私を見ている。


…この人は、駅のホームで私を助けてくれた人。

遠藤コーポレーションの遠藤さん・‥って言ったっけ?


「この前はお世話になりました・・・

川崎課長なら、あのドアの向こうの課長の部屋にいます。

案内しますから、付いてきてください」