『陽介さんへ

私の為に色々してくれてありがとうございました。

私に言ってくれたあの言葉も、胸が一杯になるほど嬉しかった。

だから・・・このお腹の子供を産む決意をしました。

陽介さんの大事な赤ちゃんだから。私にとっても、大事な子。

でも、この子は、私一人で育てます。

陽介さんは、私じゃなくても、他の女性でも、きっと幸せになれると思う。

私は、恋愛には不向きなんです、陽介さんを傷つけたくない。

私には、この子がいるから。一人でも大丈夫。

短い間だったけど、幸せな時間をありがとう・・・そしてさようなら。

・・・愛・・・』


…風が冷たく感じた。

・・・愛は、この風のように、どこかに消えてしまった。


オレの気持ちなど一度も考えず、

自分勝手に、すべて決めてしまって・・・


なぜ、オレの心配をする必要がある?

オレは、愛を愛してる・・・幸せにするって決めた。

愛の為なら、どんなことだって乗り越えられるのに。

愛の為なら、命も惜しくないほど愛しているのに・・・


…真っ白になった頭。

何も考えられなくて、オレはしばらくその場から動けなかなった。