それから一週間が過ぎた。

『次の検診は2週間後です。

くれぐれも体には気をつけてください。

それから、体調が悪い時は、無理をせず、会社は休んでくださいね。

一番大事な時期ですから』


先生に言われた言葉。

でも、私は体調が悪くても、仕事に向かった。

風邪を引いたわけじゃない。

これは病気じゃないんだから・・・

それに、むしろ、お腹の中から、消えてしまえばいい。


どこかでそう思う自分がいた。

こんな事を考えてるのがわかったら、

きっと周りの人に怒られると思う。

大事な命なのにって・・・


でも、私は子供を愛情いっぱいで、育てる自信なんてない。

陽介に言うことなく、たった一人で子育てなんて、出来っこない。


両親に相談もできなかった。

両親は離婚している。

私は母親に引き取られた。父親は再婚し、遠い県外で

新しい家庭を築いているとか…連絡先すら知らない。


母親だって、早くに再婚し、

私は逃げるように家を出た。

高校卒業まで我慢して、卒業時には必死に就職を探して、

貯めたバイト代で、引っ越しした。