すぐに先生が来て、

「ちょっと冷たいけど、我慢してくださいね」

…ビクッ。

何かが私の股へ侵入した。


「…はい、終わりです」

また診察室へと戻ると、エコー写真を差し出された。


「この黒い袋の中に、小さな白いもの見えます?」

「・・・はい」


「それ、赤ちゃんですよ。今8週目ですね。

その子のお父さんとも、よくお話ししてください」

先生の言葉が、行動が、まるで機械のようで、

私はただただエコー写真を見つめていた・・・


家に帰った私は、しばらく放心状態だった。

…まさか、自分が妊娠するとは。

…まさか、ただ一時の付き合いの男の子供を宿すとは。

…一体、私はどうしたらいいんだろう。


…辺りは、真っ暗な闇に包まれて、

それでも、私は相変わらず、動けない。

気怠さも、微熱も、…すべて、妊娠のせいだったとは。


…誰が想像できる?


ピピピピピピピ・・・・

遠くで、携帯が鳴る。