誠治と春子は仲睦まじく、

やっと本当の夫婦になったような感じだった。


「…今までの二人が嘘みたいだな」

「…陽介、会社は?」

…お昼になって、陽介がまた病室にやってきた。

それに驚くのは愛、誠治、春子。


「すぐに戻る。…良かったよ、会社からすぐ近くの病院選んでて」

陽介はそう言って愛の傍に腰を下ろす。



「こんなに会社ばかり抜けて大丈夫なの?」

愛はそれが何より心配だった。


「今夜は大事な事が詰まってて、会えそうにないから今来ただけだよ。

仕事はしっかりこなしてる」


「こんな社長じゃ、先が思いやられるな」

そう言ったのは誠治。


「あら、いいじゃない。陽介なら大丈夫ですよ。ね~・・・

所で、この子の名前は決めたの?」

抱っこする孫娘の顔を見つめながら春子が言った。


愛と陽介は微笑みあい頷いた。