「頑張って」

そう言って微笑む愛の言葉に、陽介は元気がみなぎる。


…愛する者の応援が、何より嬉しい。


この人の為なら、頑張ろうと思える。


陽介は微笑み、分娩室を出ていった。



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分娩から2時間後。

愛は病室へと戻る。

赤ちゃんは処置が終わり次第、病室にやってくることの事だった。


…処置が終わった赤ちゃんが帰ってきて間もなく。

退院した誠治と春子が病室を訪れた。


「まぁ、なんてかわいい赤ちゃんなんでしょう。

よく頑張ったわね、愛さん」

赤ちゃんを見つめるその顔は、もうおばあちゃんの顔だった。


「お疲れ様、愛さん・・・赤ちゃんを抱っこしてもいいかな?」

お義父さんの言葉に、愛は微笑み頷いた。


「約束でしたからね」