…晴れ渡る空。…気持ちのいい風が吹く今日。

陽介は、松田商事の社長に就任した。


これまでも何度か会社に来ては、社長の元で勉強しながら

仕事を覚えた。


でも今日からは違う。


松田商事の社長として、2000人の社員の頂点に立つのだ。


まだまだ若い陽介社長に対する風当たりは相当なものだった。

それでも、陽介は常に冷静で、凛としていた。


社長の挨拶が終わり、社員達は持ち場へと帰っていく。


その後、陽介は重役会議に出席するべく、大会議室に向かっていた。


・・・そんな時、陽介の携帯が鳴り響く。


「・・・何?!…分かった、すぐに行きます」

慌てて携帯を切った陽介が秘書に言う。


「すまない、どうしても抜けなければならなくなったんだ」

「でも、これから重役会議ですよ社長」



「それよりももっと大事な事なんだ」

「社長!」

止める秘書を払いのけ、陽介はとあるところに急いだ。