「陽介の言う通りにする」

「・・・ん?」


「上司と話して、休ませてもらう」

私の答えに、陽介はホッと溜息をついた。


「オレも一緒に行こうか?」

「・・・ううん、家に帰る前に、会社に寄ってから帰るから」

「・・・わかった、…最初に来た時よりも、大分顔色が戻ったな。

…今晩は、大事を取って入院して、明日には帰れるみたいだから。

オレは一度会社に戻るよ。終わったらまた、ここに来るから」



「色々ゴメンね?」

「…謝るなよ。オレは当たり前の事をしてるだけなんだから」

そう言った陽介は、私のおでこにキスを落とすと、会社に戻っていった。


その日のうちに、私は会社に電話をした。

すると、上司に言われた。自分の妻も同じようになり、仕事を休んだと。

会社には来なくていいから、そのまま産休に入れと・・・。

事務処理は上司がしてくれるとの事で、最後に、元気な赤ちゃん産めよ。

そう言ってくれた。


とても良い上司の恵まれた私は、とても幸せだった。