目が覚めると、白い天井が目に映った。

・・・病院に運ばれたようだった。

・・・ふと、私は自分の手が、誰かに握られている事に気づき、

そちらに視線を向けると、そこには心配そうに私を見つめる

陽介の姿があった。


「…気が付いたか?」

「…うん、なんでここに?」


「愛の先輩が、愛の携帯で連絡してきたんだ。

オレの名前、教えてたんだろ?」

・・・そうだ、さっきの話しの中で、陽介の名前を教えたっけ。


「会議の最中だったんだけど、驚いて飛びだしてきた」

「え・・・大丈夫だったの?」

「奏がいたから大丈夫だよ…全く、あれほど休めって言ったのに、

言うこと聞かないからこういうことになるんだよ」


「・・・ごめんなさい」

そう言ってシュンとすると、陽介は困ったように笑った。


「頼むから、産休に入らないか?愛の上司と相談して・・・

産科の先生も言ってたぞ、愛は、あまり体力もないから、無理して働かない方がいい、

今は、出産に向けて、しっかり体力をつけろって」


そう言って陽介は私の頭を撫でた。

…私は一人の体じゃない。お腹には赤ちゃんがいる。

もう、無理はしない方がいいかもしれない・・・・。