…陽介の家に行ってからというもの、体の調子があまり良くなかった。

「頼むから、仕事は休んでくれ」

陽介の言葉にも、私は耳を貸さなかった。


…実際、陽介のお父さんの言う通り、小さなIT会社だ。

いつどうなるかなんてわからない。

だからこそ、少しでも長く働いて、臨月を前に、産休に入る予定だった。


今日は、妊娠結婚の報告を、上司に報告するべく、会社に向かった。

・・・あまりに突然の報告で、上司や周りの社員達は驚いていたが、

みんな喜び、祝福してくれて、一安心だった。


その日の昼休み、私は先輩と一緒にランチに向かった。

妊娠や結婚の話で盛り上がっている最中、ただでさえあまり良くなかった体調が

すこぶる悪くなっていた。


「愛ちゃん、顔色真っ青よ?大丈夫?」

「…大丈夫と言いたい所なんですけど」

・・・そこまで言った私は、気分の悪さに、机に突っ伏してしまった。

その後、何度も声をかけられるも、それに応える余裕もなく、

心配した先輩が、救急車を呼んだ。


…運ばれる最中、

私は意識を失った・・・・。

お願い、私から赤ちゃんを奪わないで・・・・。